TRIUMPH NEWS
Glenn Goes to Barcelona
2009年6月15日

ニュー・サンダーバードのプレス発表試乗会に、トライアンフオーナーの中から1名ご招待するという特別企画に見事当選したオーストラリア在住のトライアンフライダー、グレン・ミドルトンさんが、先月スペイン、バルセロナで行われた同発表会に参加した。
(以下、ミドルトンさんのレポート)
私の驚きは、とある木曜日の夜9時30分から始まった。自分の携帯電話に、海外から着信が。その電話をとってみると、
「こんばんは。私はトライアンフマガジンのサムと申します。夜分遅くに申し訳ありませんが、素敵なお知らせを伝えたくてお電話しました。あなたが世界で最初にニュー・サンダーバードに乗るライダーに選ばれました!・・・」
無事にバルセロナに到着したとき、今にも雨が降りそうな曇り空だった。私は少しの時間、フリータイムをいただいたので市内観光などをして、人生初のヨーロッパ旅行を満喫した。でも私の本当の目的は、ニュー・サンダーバードとはどんなもののかを知ることだ。どんな人々によって生み出されたのか、そしてこのモーターサイクルを肌で体感したその感覚はどんなものになるのか。
私は、海外のモーターサイクルジャーナリストと同様に、発表会(プレゼンテーション)にも招待された。そしてその中で、ニュー・サンダーバードは広範囲にわたって楽しませてくれるアイデアとビジョンが盛り込まれているということを知った。
また、配られたプレスパックには、購入検討者でもある私が持つさまざまな疑問に答えてくれる、データや資料の概要が詰まっていた。
ディナータイムには、プレゼンターでもあった開発責任者のサイモン・ワーバートン氏の隣の席に案内された。ラッキーなことに周りにはオーストラリアでもよく知られている北米のジャーナリストたちも座っていた。
サイモン・ワーバートン氏はトライアンフオーナーでもあるアマチュアライダーの私の視点にとても興味をもってくれた。私は彼の言うこのモデルの成功を実感できたし、トライアンフの過去の失敗についても共感した。しかしながら彼はだからこそ夢中になって私のあらゆる質問に、簡単な答えを繰り返した。
「待って。明日乗ればわかりますよ、必ず。」
この一見雑な思いがけない答えに、私の多くの質問の答えがあった。そしてそれらはすべてポジティブなものだった。
続く翌日は、晴天に恵まれた絶好のライディング日和だった。6台1チームとなり、バルセロナを起点に約200kmのコースを走る。
ライディングポジションやそれに関連した寸法は、自分が乗っているアメリカによく似ている。もしかしたら、フォワードコントロールの位置は少し近く、ライディングポジションも少しアップライトなのかもしれない。
身長195cmの私のような大柄なライダーにも窮屈さは感じなかったが、小柄な方だとフットコントロールが少し遠いかもしれない。
標準サイレンサー仕様のエンジンサウンドは、やかましさを感じず、深みと共鳴を感じられる上品なサウンドだった。しかし一方で、スポーツサイレンサーはセンセーショナルで、人目を引くバリトンサウンドの応酬のような印象だった。
渋滞する街中を抜け、フリーウェイを走りだすと、低くうなる1,600ccバーチカルツイン(並列二気筒)のサウンドがはっきりとそのキャラクターを主張する。きびきびしたフューエルインジェクションは、アイドリングから一気に加速するときも、私の135kgの巨体を感じさせない。スムーズなギアチェンジ、フロント、リアともによいフィーリングのブレーキも、どこまでも走りたくなる気にさせる。
フリーウェイを下りて、オーストラリア人なら誰もが垂涎モノの山間部に。その最高のワインディングロードでもアスファルトの上をすべるように駆け上がり、休憩ポイントまではあっという間だった。ヨーロッパ人は涼しげな顔だったが、このオーストラリア人にとっては、息をのむようなエキサイティングな体験だった。
私たちはトライアンフのカメラマンが待ち受ける撮影ポイントに到着すると、技術者のジョンとジョーンとのディスカッションのあと、プリロードを2クリック上げた。自分の体格にはグランドクリアランスを考えるとそれがベターだと思ったからだ。
さらにツーリングを続け、私たちはスペインらしいシーフードランチを提供してくれるレストランに到着。ジャーナリストライダー同士の快活な会話とたくさんの笑顔が食卓いっぱいにあふれていたのが印象的だった。
ランチ後のカントリーサイドを走っているころには、サンダーバードになじんできて、ゆったり楽しむゆとりも生まれた。バルセロナ市内に近づいてくると、ラッシュアワーに巻き込まれて渋滞気味の中を走ることになった。
しかしその渋滞は、多くの視線を感じる、よく言えばいい格好して見せびらかしているような気分になって、それはそれで楽しめた。多くのクルーザーが徐行レベルの低速時に、不安定になって乗りずらいことがしばしばある。けれどもこのサンダーバードは、低速時のハンドリングがとてもすばらしいと感じたし、これならバスや車やトラックに囲まれてしまう市街地でも安心だ。そうして走っているときに、前夜ワーバートン氏が言っていた「乗ればわかりますよ。」の意味がわかった気がした。自身がこれまで乗ってきたクルーザータイプのどのバイクよりも、低速時の安定性に優れている。交通渋滞などで今までヒヤッとする思いをしたことのあるクルーザーライダーなら、この車体バランスをきっと気に入るはずだ。
私はこの最高のおもてなしに犯されてしまったのだろうか?否、このニュー・サンダーバードは、多くの人が待ち望んでいた大排気量クルーザーに違いない。そして、それは乗らずにはわからない魅力と、計り知れない奥ゆかしさにあふれている。たしかに、トライアンフは純然たるアメリカンカンパニーではないし、アメリカンを主力としたモーターサイクルブランドでもない。しかし、トライアンフのモデルレンジのギャップを埋める、クルーザーシリーズの主力艦となるだろう。
どの分野を切り取っても、ライバルを圧倒する歴史的背景とパフォーマンスがそこにはある。ブレーキ、エンジン、ハンドリング・・・スポーティな走りをしたくなるような完成度の高いパッケージだった。この個性際立つニュー・サンダーバードは、Make no mistake な選択だ。
このレポートの最後に一言。
触れるものすべてが最高だったこの旅の本質は、この旅を実現させてくれたすべての人との関わりそのものにあったように思う。それは、トライアンフのものづくりにもきっと通じるものなんだろう。
トライアンフマガジンのスタッフ、トライアンフ英国本社やトライアンフオーストラリアのスタッフすべての人にありがとうを伝えたい。そして、本当に厳正な抽選だったのだと今思う。なぜなら、オーストラリアからスペインという長距離の渡航費や時間を考えれば、「もっとも遠い当選者」だったと言っても過言ではない。作為があってはそんな自分を選べるはずがないだろうから。
バーチカルツイン、サンダーバード、トライアンフ。すべての最高に感謝!!
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